体調に合わせて

合気道は自然の気と合し一体となることを目的としています。技は滞りなく滑らかに流れるように自然の理を体現しています。
稽古はその時の自然体である、体調に合わせてしていただきたいと思います。例えば、風邪をひいた後で、まだ完全に体調が戻っていない時は、稽古相手に協力してもらって、ゆっくりと正確な動きをチェックするような稽古をするのも良いと思います。

どんなに良い楽器でも正しくチューニングされなければ良い音がならないように、合気道に限らず、私たちも調子を整えなければ、良い力を発揮できません。

女性の方は月のサイクルがありますので、それに合わせた稽古をしていただきたいと思います。月経中は運動に適した時ではないので、稽古はお休みして、おうちで、なるべくゆっくりと過ごして下さい。どうしても稽古したいのであれば、先生にお伝え下さい。身体に負担にならないように、ゆっくりと力を抜いて基本的な動作などをし、受け身はしないように指導します。
また、月経が終わって間もなく体調が戻っていない時、排卵から10日後位からの黄体期はホルモンバランスの関係で心と体が不安定になったりしますので、それに合わせた稽古を心がけるようにお願いします。

男性の方、女性の方、誰でも体調の変化はあるものです。もし、「今日はちょっとゆっくり稽古したいな」と思うような時は一言先生に言っていただければ、その時に合った稽古をしていきたいと思います。

私が指導をする上で、それが誰にとって当たり前のことでも、体調のことで注目されて、恥ずかしい思いをさせるような事は決して致しません。きちんと配慮し稽古の場であることを保っていきます。

合気道には試合はなく、日々の稽古を目的とし大事にしています。何かに気負う事なく、体調やその時の都合に合わせて稽古していけるものです。

自分自身を大切にしていただきたいと思います。簡単なようで難しいものですが、自分を整えられることは一番の護身術だと私は思います。
そして、自身を知り、大切にする事が他の人へのより深い理解や思いやりに繋がれば、素晴らしいことではないでしょうか。